クリフ・マクニッシュの3部作、『レイチェルと滅びの呪文』、『レイチェルと魔法の匂い』、そして『レイチェルと魔導師の誓い』を今読んでいます。図書館の「児童文学はあなどれない!」コーナーに並んでいた『レイチェルと滅びの呪文』を、表紙の暗い絵と暗い題名に惹かれて何気なく手にとった。扉の内側にあらすじが書いてあった。
邪悪な魔女が支配する、暗黒の星イスレア。あらゆるものに呪文が込められたこの地に、魔女となるべく連れてこられた少女レイチェルと弟エリック。はたしてレイチェルはこの星を救う伝説の「希望の子」なのか…。
読み出したら最後まで止められない!とても面白い。人物・場面描写がシンプルで分かり易い文章で目の前にありありと浮かぶ。1巻では悪役の魔女ドラグウェナも恐ろしく醜い形相かということがよく分かる。口の中から蜘蛛が出てくるのだから気味が悪い!主人公レイチェルは弟と共に、ドラグウェナによって異世界イスレアに引きづり込まれる。レイチェルの類まれな魔力を見出した魔女のドラグウェナは、嫌がるレイチェルを魔女にしようと訓練していくし、秘めた力を持つ弟エリックにはある仕掛けを埋め込む。一方地球から連れ去られてきてイスレアで奴隷として支配されている子供達からはレイチェルは救世主として多大な期待を寄せられる。普通に暮らしていた主人公が異世界でいきなり過酷な運命に飲み込まれ、目覚しい魔法の成長をしながらも強大な魔力を誇るドラグウェナの前に四方八方手ふさがりの状態に陥るというドキドキハラハラさせられる話。2巻、3巻も絶対絶命の危機にさらされる。1冊ごとに完結はしているが、話は続いている。巻を追うごとに面白さに欠けてきた『ダレン・シャン』と違って、この3部作はどの巻も面白く、話に引きづり込まれる。早く次の作品を出してくれないかなと期待している。
あと数十ページで読み終えるのに、間違って返却してしまって後悔してる本、ダイアナ・ウィン・ジョーンズの『魔法使いはだれだ
― 大魔法使いクレストマンシー』。これも面白い。魔法は厳しく禁じられていて、魔法使いは火あぶりになるという世界で寄宿学校に通う生徒達の間での出来事の話。「このクラスに魔法使いがいる」というメモから、大変な大騒ぎへと発展していく。題名の通り「魔法使いはだれだ」という謎解きの話。絡み合った紐が少しずつ解けていくような感じ。問題児ばかりのクラスには、いじめっ子、いじめられっ子、ずる賢い子と一癖も二癖もある子供達ばかり。子供達がほんっとうに子憎たらしいこと!!また、ある子供の魔法の使い方が面白い。多分私も魔法が使えたらやってしまいそうな事をやってくれるのだ。魔法を使ったら火あぶりは怖いけど、魔法が使えたらいいな、と何度も思ってしまう。それなのに、途中で返却してしまって自分の間抜けさにウンザリする。2人が予約してるので読めるのはまた1ヶ月先。予約してる2巻のほうが先に手元に届きそうだ・・・。
シリーズ作品がアニメ化されてから新刊がまったくでない小野不由美だがとうとうこの7月下旬に小説が出版される。それもシリーズじゃないやつだ。この歳になってアニメもないだろうと思ってたが、一度見出すと毎週ビデオにとって見てしまう。自分の好きな小説だから仕方ない。小野不由美の作品は面白いが文章が固くて言い回しが難しい。古文か漢文を訳したみたい。作品の世界がそうなのだから仕方ないが。それに比べたら児童文学は分かり易くて面白い。成る程図書館の言うように、「児童文学はあなどれない!」これは大人の為のコーナーだったのか?
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